令和6年の路線価からみる地価の傾向

令和6年7月1日に国税庁が令和6年の路線価を公表しました。

路線価とは、相続税・贈与税の計算をする際に使用する土地の評価額の基準となるもので、路線価が付されている道路に面している土地の1㎡当たりの単価です。

令和6年の路線価は全国平均で2.3%上昇し、3年連続の上昇となりました。昨年よりも上昇率が0.8%上回るものとなりました。

国税庁が公表した税務署毎の最高路線価から地価の傾向をみていきます。

 

東京都の最高路線価(日本全国の最高路線価)は中央区銀座5丁目銀座中央通りで4,424万円(前年度は4,272万円で3.6%の上昇)です。

上昇率に注目すると東京都台東区浅草1丁目雷門通りは448万円で前年から16.7%の上昇、長野県白馬村(大字北城村道和田野線)は3.7万円で32.1%の上昇、大阪市西区江戸堀1丁目(四つ橋筋)は340万円で19.3%の上昇、岐阜県高山市上三之町(下三之町線通り)は26.5万円で17.8%の上昇となっており、コロナ禍が完全に終息し外国人の観光客が訪れる場所は東京以外でも上昇率が高くなっています。

首都圏の最高路線価をみると横浜市の最高路線価(西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り)は1,696万円で1.0%の上昇、千葉市の最高路線価(中央区富士見2丁目千葉駅東口駅前広場)は223万円で14.9%の上昇、さいたま市の最高路線価(大宮区桜木町2丁目大宮駅西口駅前ロータリー)は529万円で11.4%の上昇でした。

東京以外の大都市は、大阪市の最高路線価(北区角田町御堂筋)は2,024万円で前年から5.4%の上昇、名古屋市の最高路線価(中村区名駅1丁目名駅通り)は1,288万円で前年から0.6%の上昇、福岡市の最高路線価(中央区天神2丁目渡辺通り)は944万円で4.4%の上昇でした。

観光地以外で上昇率が高かったのは熊本県菊陽町光の森3丁目(県道住吉熊本線)で前年から24.0%の上昇(令和6年路線価は15.5万円、令和5年路線価は12.5万円)でした。半導体の工場が新設されている場所ですね。

ちなみに当税理士法人がある埼玉県越谷市の最高路線価(越谷市南越谷1丁目南越谷駅南口ロータリー)は50万円で前年から6.4%の上昇でした。埼玉県の中ではさいたま市に次ぐ上昇率となっています。住宅の需要が駅前も含めた全体の地価を上げているということでしょうか。