被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡したときの特例(令和5年度税制改正)
令和5年度税制改正により、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特例の適用期限が令和9年12月31日まで4年延長されました。また、今回の改正により以下の(1)及び(2)について変更となりました。この改正については、令和6年1月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用されます。
(1) 被相続人居住用家屋(注1)の一定の譲渡又は被相続人居住用家屋とともにする被相続人居住用家屋の敷地等(注1)の一定の譲渡をした場合に、その被相続人居住用家屋がその譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に次に掲げる場合に該当することとなったときは、この特例の適用を受けることができることとされました(措法35③)。
イ 耐震基準に適合することとなった場合(注2)
ロ その全部の取壊し若しくは除却がされ、又はその全部が滅失をした場合
(注1) 被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の相続の時からその譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないものに限ります。
(注2) 確定申告書の添付書類として提出する耐震基準に適合する旨の証明書は、被相続人居住用家屋を耐震基準に適合させるための工事(その被相続人居住用家屋の譲渡の日から同日の属する年の翌年2月15日までの間に完了したものに限ります。)の完了の日から確定申告書の提出の日までの間に耐震基準に適合する旨の証明のための家屋の調査が終了したものに限ります。
(2) 相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人の数が3人以上である場合は、特別控除額が2,000万円とされました(措法35④)。