令和5年の路線価から見る地価の傾向

令和5年の路線価が7月3日に公表されました。

路線価とは、相続税・贈与税の計算をする際に使用する土地の評価額の基準となるもので、路線価が付されている道路に面している土地の1㎡当たりの単価です。

令和5年の路線価は全国平均で1.5%上昇し、2年連続の上昇となりました。全国的にコロナ禍の影響がなくなり、昨年よりも上昇率が1%上回るものとなりました。

国税庁が公表した税務署毎の最高路線価から地価の傾向をみていきます。

東京都の最高路線価(日本全国の最高路線価)は中央区銀座5丁目銀座中央通りで4,272万円(前年度は4,224万円で1.1%の上昇)です。3年ぶりの上昇となりました。

首都圏の最高路線価をみると横浜市の最高路線価(西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り)は1,680万円で1.4%の上昇、千葉市の最高路線価(中央区富士見2丁目千葉駅前広場)は194万円(前年は市街地開発事業の施行区域のため路線価無し)、さいたま市の最高路線価(大宮区桜木町2丁目大宮駅西口駅前ロータリー)は475万円で8.0%の上昇でした。

都心よりも千葉、神奈川、埼玉の近郊都市の上昇率が高くなっています。住宅用地としての需要が影響しているのでしょうか。

東京以外の大都市は、大阪市の最高路線価(北区角田町御堂筋)は1,920万円で前年から1.3%の上昇、名古屋市の最高路線価(中村区名駅1丁目名駅通り)は1,280万円で前年から2.6%の上昇、福岡市の最高路線価(中央区天神2丁目渡辺通り)は904万円で2.7%の上昇でした。

京都市の最高路線価(下京区四条通寺町東入2丁目御旅町四条通)は697万円で前年から3.6%の上昇となっていますので、観光地についてはコロナ禍の影響が無くなり、外国人観光客の増加も見込んだ地価となっているようです。

ちなみに当税理士法人がある埼玉県越谷市の最高路線価(越谷市南越谷1丁目南越谷駅南口ロータリー)は47万円で前年から2.2%の上昇でした。昨年令和4年とおととし令和3年の地価は変動が無く同じでしたので、今年に入ってコロナ禍の影響についてはほぼ無くなったと考えられます。