生活費、教育費、結婚祝いと贈与税の関係

贈与税は、個人が個人から受けた財産に対して課税する税金ですが、扶養義務がある父母、祖父母から受けた生活費の贈与についても課税対象として全て集計して年間110万円を超えた場合には贈与税の申告が必要なのでしょうか?

扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち、「通常必要と認められるもの」については贈与税の課税対象とはならないこととされています。

この場合の「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費を除く)をいい、治療費や養育費その他これらに準ずるもの(保険金又は損賠賠償金により補てんされる部分の金額を除く)を含むこととされています。

また、「教育費」とは、被扶養者(子や孫)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、義務教育費に限られないこととされています。

ただし、数年分の「生活費」又は「教育費」を一括して贈与を受けた場合において、その財産が生活費又は教育費に充てられずに預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のようにその生活費又は教育費に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となりますので注意が必要です。なお、租税特別措置法で規定された特例の制度として教育資金の一括贈与非課税制度がありますので、その制度が利用できる場合は一括で贈与しても非課税となります。

 

結婚に際して父母から金銭や家具等の贈与を受けた場合はどのような取り扱いになっているのでしょうか。

子が親から婚姻後の生活を営むために、家具、寝具、家電製品等の通常の日常生活を営むのに必要な家具什器等の贈与を受けた場合、またはそれらの購入費用に充てるために金銭の贈与を受け、その全額を家具什器等の購入費用に充てた場合等には贈与税の課税対象とならないこととされています。

ただし、贈与を受けた金銭が預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費(家具什器等の購入費用)に充てられなかった部分については贈与税の課税対象となります。