令和2年の路線価からみる地価の傾向

今年も7月1日に国税庁が路線価を公表しました。

路線価とは、相続税・贈与税の計算をする際に使用する土地の評価額の基準となるもので、路線価が付されている道路に面している土地の1㎡当たりの単価です。

令和2年の路線価は前年と比較して全国平均で1.6%上昇しています。平成28年から5年連続で上昇となりました。

国税庁が発表した税務署毎の最高路線価から地価の傾向をみていきます。

東京都の最高路線価(日本全国の最高路線価)は中央区銀座5丁目中央通りで4,592万円(前年度は4,560万円で0.7%の上昇)。35年連続日本一です。

今年も東京周辺や東京以外の大都市の上昇率が高くなっています。

横浜市の最高路線価(西区南幸1丁目)は1,560万円で前年から34.5%上昇、さいたま市の最高路線価(大宮区桜木町2丁目)は426万円で15.1%上昇、札幌市の最高路線価(中央区北5条西3丁目)572万円で17.2%上昇、名古屋市の最高路線価(中村区名駅1丁目)は1,248万円で13%の上昇、大阪市の最高路線価(北区角田町御堂筋)は2,160万円で35%の上昇と二けたの割合で上昇しています。

昨年と同様に一般的に観光地と認識されているところも上昇率が高く、京都市の最高路線価(下京区四条通寺町東入2丁目御旅町)は673万円で18.1%上昇、奈良市の最高路線価(東向中町大宮通り)は80万円で21.2%上昇、沖縄の那覇市の最高路線価(久茂地3丁目国際通り)は145万円で前年から40.8%の上昇となり昨年同様に大幅な上昇(前年は103万円で39.2%の上昇)となりました。ここは平成30年の路線価が74万円ですので、2年間でほぼ2倍になりました。

ここ最近の特徴として大都市及び外国人が訪れる観光地の上昇率が高く、この傾向は令和2年も同様でした。

ちなみに当事務所がある越谷市の最高路線価(南越谷1丁目南越谷駅南口ロータリー)は47万円で4.4%の上昇(前年は45万円)でした。

路線価は毎年1月1日時点を評価時点としていますので、コロナウイルス感染症に伴う経済状況の変化の影響は全く反映されていません。今後、毎年9月に国土交通省が公表する基準地価の状況などにより、広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合などには、納税者の便宜を図る方法を検討するとしていますので、地域によっては調整計算をする可能性があります。