令和3年の路線価からみる地価の傾向

今年も7月1日に国税庁が路線価を公表しました。

路線価とは、相続税・贈与税の計算をする際に使用する土地の評価額の基準となるもので、路線価が付されている道路に面している土地の1㎡当たりの単価です。

令和3年の路線価は前年と比較して全国平均で0.5%下落しました。全国平均が前年比マイナスとなるのは6年ぶりです。

国税庁が発表した税務署毎の最高路線価から地価の傾向をみていきます。

東京都の最高路線価(日本全国の最高路線価)は中央区銀座5丁目銀座中央通りで4,272万円(前年度は4,592万円で7.0%の下落)です。下落しましたが36年連続で日本最高です。ここが下落したのは9年ぶりとなりました。

首都圏で見てみると横浜市の最高路線価(西区南幸1丁目横浜西口バスターミナル前通り)は1,608万円で前年から3.1%の上昇、千葉市の最高路線価(中央区富士見2丁目千葉駅前大通り)は118万円で3.5%の上昇、さいたま市の最高路線価(大宮区桜木町2丁目大宮駅西口駅前ロータリー)は426万円で前年と同じでした。

東京以外の大都市では、大阪市の最高路線価(北区角田町御堂筋)は1,976万円で前年から8.5%の下落、名古屋市の最高路線価(中村区名駅1丁目名駅通り)は1,232万円で前年から1.3%の下落、福岡市の最高路線価(中央区天神2丁目渡辺通り)は880万円で前年と同じでした。

都道府県庁所在都市の中で下落率が最も高かったのは奈良市(東向中町大宮通り)で12.5%の下落でした。ここは昨年21.2%の上昇でしたので、コロナ禍による外国人観光客の減少が地価に大きく影響したものと考えられます。

コロナ禍でも人口が増えているところは下落せず、コロナ禍の前に外国人がよく訪れていた観光地と考えられる地域については下落率が大きい傾向があります。

ちなみに当税理士法人がある越谷市の最高路線価(南越谷1丁目南越谷駅前ロータリー)は46万円で2.1%の下落(前年は47万円)でした。場所的にお酒を提供するお店のコロナ禍における営業状況の影響でしょうか。