3年以内に贈与された財産でも加算しなくていいものがある

相続や遺贈で財産を取得した人が被相続人(お亡くなりになった方)から生前、死亡前3年以内に財産の贈与を受けている場合、原則としてその財産の贈与された時の価額を相続財産の価額に加算することとされています。

生前に贈与しても、3年以内の贈与では結局相続税が課税されてしまう場合があるということです。

しかし、3年以内の贈与であっても相続財産に加算しなくてもよいものがあります。

夫婦の間で居住用の不動産を贈与した場合に利用できる配偶者控除を適用した場合、配偶者控除に相当する金額については加算する必要はありません。

夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除のほかに最高2000万円まで控除できるという特例制度です。

この制度を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
①夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後の贈与である
②贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が実際に住んでいて、引き続き住む見込みであること
③配偶者から贈与された財産が自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること

また、この制度を利用するためには、戸籍謄本等、一定の書類を添付し贈与税の申告をすることが必要です。